白座遺跡

白座遺跡調査年度:昭和62年  場所:道仏字白座窪

 縄文時代前期(約8,000年前)の貝塚がある遺跡です。貝塚からは、多くの魚や動物の骨、貝類などが検出され、当時の食生活を知る上で重要な資料になっています。その他に貝塚からは、その骨を加工してつくったへらや釣針なども出土しています。また土器も東北南部の影響をうけた大変珍しいものが出土し、県内でも有名な遺跡になっています。

野場遺跡

野場遺跡調査年度:平成3年  場所:金山沢字野場

 縄文時代中期末葉(4,000年前)の遺跡で、住居跡が51軒も検出された大集落跡です。その他に配石遺構と呼ばれる石を一ヶ所に集めた場所が多く見つかり、その下には堅穴がみられることからお墓である可能性が指摘されています。遺物では北海道産の黒曜石をつかった石鏃、石槍や様々な種類の土製品なども見つかっています。

山館前遺跡

山館前遺跡調査年度:平成6年~平成9年  場所:赤保内字山館前

 平安時代(約1,000年前)の遺跡です。これまでにかまどを持った住居跡が16軒ほど検出されています。遺物では土師器(はじき)、須恵器(すえき)、鉄製品などが出土しています。中でも鉄に関しては遺跡の方々で鉄くずが見られることからこの場所で鍛冶をおこなっていた可能性があります。

小沢館遺跡

小沢館遺跡調査年度:平成7年  場所:晴山沢字小沢

 中世(500年前)の遺跡で、南北140m、東西90mの長方形状に造られた城館です。三重の堀、土塁が巡っていることが調査の結果明らかになりました。館内には当時の道跡や門跡、様々な建造物の柱穴跡などが検出されています。遺物では、陶磁器、貨幣、鉄製品などが出土しています。この地域の城館の構造を知る上で大変貴重な成果が上がりました。

滝端遺跡

滝端遺跡調査年度:平成9年~平成10年  場所:平内字滝端

 縄文時代後期末~晩期初頭(約3,000年前)の遺跡で、大変多くの住居跡や竪穴などが検出されています。中でもお墓には、頭に赤い粉をふりかけた縄文人骨が発見されました。遺物では首がソケット状になった膝を抱える土偶や水晶の石鏃、様々なアクセサリー類等大変貴重なものが出土しています。またその地層の下から、県内で4例目となる縄文時代草創期(約10,000年前)の爪形文土器と石斧が出土し、一躍県内で注目を集める遺跡となりました。

 

小板橋遺跡

小板橋遺跡調査年度:平成10年~平成12年  場所:金山沢字小板橋

 縄文時代早期中葉(約9,000年前)の遺跡で、住居や落とし穴、貯蔵用の穴が数多く見つかりました。

 遺物は底が尖った貝殻で文様を付けた土器が大変多く出土し、住居内から魚捕り用の網のおもりとして使われた石錘が36点まとまって出土しています。当時の人々がそのような道具を大事に保管していたことが分かる貴重な発見です。

寺下遺跡

寺下遺跡調査年度:平成16年  場所:赤保内字寺下

 縄文時代後期前葉~弥生時代初頭(約3,000年~2,300年前)にかけての遺跡です。平成16年度の調査で縄文後期末~晩期中葉の竪穴式住居跡11軒、土坑11基、縄文時代晩期中葉の貝塚1ヶ所が検出されています。なかでも貝塚からは獣・鳥・魚の骨・貝殻の他にそれらで作った多くの骨角器が確認されました。貝塚は縄文時代後期末に廃棄された住居の窪みと北側に落ちる沢目を利用して貝等を廃棄したと考えられます。

 骨角器には骨箆・骨針・釣針・モリ・ヤス・根挟み(鏃の柄)・弭形骨角器・アクセサリー類(腰飾り・首飾り・ヘアピン等)が確認されております。なかでも鹿角製腰飾りは、ほぼ完全な形で出土しました。腰飾りにはこの時代の墓坑から男性人骨に伴って出土する例が多い遺物です。人骨の腰の辺りからの出土が多いことから数少ない男性用の装身具として考えられています。今回の調査では当時の環境・生活・文化・信仰等を考える上で、大変貴重な遺物が出土しました。

 なお、鹿角製腰飾りをはじめとした骨角器類141点は、縄文時代晩期の骨角器の変遷を知る上で、極めて重要な遺物であるとの評価から令和3年4月9日、青森県重宝に指定されました。